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小口川郷:紀伊続風土記(現代語訳)


小口川郷 こぐちがわ 全10ヶ村

小口川郷全10ヶ村、南は色川郷と接し、西北は四村荘に接し、東は三村郷浅里郷の2郷に接する。その広さはおおよそ東西8里、南北5里。

この郷は大雲取・小雲取の2つの高山の間にあって、東西の谷筋が2つある。1つは南にあり、1つは北にある。2つの渓流が西から来て長井村で落ち合って1つとなる。その合流の所が谷口が最も狭いので小口川の称がある(慶長検地帳には奥地川谷と書いてある)。郷名はこれによる。

南を流れる谷の源は瀧本村に発し、諸谷の水を合わせて鎌塚村大山村西村の3ヶ村を経て長井村に至る。雨後の水嵩があるときは鎌塚村まで舟の通行がある。北を流れる谷の源は色川郷樫原村に発して北川村畝畑村を経て折れて東に向かい、諸谷の水を合わせて長井村に至る。雨後の水嵩があるときは畝畑村まで舟の通行がある。2つの川が合流して東村椋井村を経て三村郷日足村に至って熊野川に入る。

鎌塚村瀧本村北川村畝畑村の諸村は極山中にあるが、舟の通行があるので山稼ぎの便はよい。その他はあるいは往還にあり、あるいは熊野川に近いので山谷幽深の地で田畑は少ないが、生産はなしやすい。諸村に、社がなく木を神体として某森と称する所が多い。

小雲取

小口川
事は郡中山川の条に詳らかにした。

那智本宮街道

小口川郷10ヶ村

 


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牟婁郡:紀伊続風土記