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浦神村:紀伊続風土記(現代語訳)


浦神村 うらかみ

下田原浦の卯辰(※だいたい東※)の方1里8町余り、村の西、下田原浦領の堺より山脈が左右に分かれ相対して東の方に差し出てその間の海湾南北の長さ4町ばかりで、東の方湊口から西の方の窮りに至るまでの東西の長さは南北の長さに10倍する。その湾を隔てて南北相向かって村居をなしている。

北は大辺路の街道で、これを本村とし、南を向地(むかいぢ)という。向地は山の麓にあってその峯は東西に横たわって南を塞ぐのを寒風(さむかぜ)峯という。

村中の田地は海岸をもって畔となし、高低はほとんど海面と等しいが満潮でも田地に入ることがないので風浪の静かさを知ることができる。湾の中は海底が深くて大船を停泊するのによい。綱知らずということができる。また湾の中に大床島・鍋島・取子島などいう大巌がある。

浦神という名前の意味は塩釜明神の条に詳しい。

塩釜六社明神社
村の中にある。1村の産土神とする。この地に古くは浦神と称した神が座していたが、いずれのときにか那賀郡池田荘神領村に遷座なさった(那賀郡海神社の条を合わせ考えください)。
その旧地に小祠を建てやはり浦神社と称して産土神としたが、後世に塩釜明神を勧請して産土神とし、浦神社を末社とした。今も境内に浦神の小祠がある。村名を浦神というのはその神名から起こったのだ。

海蔵寺  深島山 禅宗臨済派和田村大泰寺末、村の中にある。

和歌山県東牟婁郡那智勝浦町浦神

読み方:わかやまけん ひがしむろぐん なちかつうらちょう うらがみ

郵便番号:〒649-5145

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牟婁郡:紀伊続風土記