勝浦村:現・和歌山県東牟婁郡那智勝浦町勝浦
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勝浦村:紀伊続風土記(現代語訳)
勝浦村 かつうら 小名 大勝浦(おおかつうら)
天満村の巽(※東南※)14町にある。勝浦村・天満村・浜ノ宮村の3ヶ村はみな海に瀕して東に向かったひとつの海湾である。この海湾を吹浦という。勝浦村はその南の端の出崎にあって、また南にひとつの小さな海湾があって入津湊という。この地は海の中に突き出ていて南北両面に海を受けている。
村名の意味を考えると、このときの出崎細く長く海面に出る葛の蔓のようであるのをもって「かつらうら」といったのがちぢまって「かつうら」となり文字も勝浦書いて来たのであろう。長島荘にも同名がある。
○小祠2社
○海翁寺 心鏡山 禅宗臨済派海部郡由良興国寺末
村の中にある。荘の中に一派の寺は10ヶ寺ある。浅野右近大夫より寄付の唐書く6幅ある。今、本寺の興国寺の資庫に納める。
○松音寺 江南山 真言宗古義東寺末
村の中にある。『寛文記」に後白河法皇が熊野御幸のとき、御休息された寺であるといい伝えるとあって松薗寺とも書いた。
熊野の説話:後白河上皇の熊野御幸
○正念寺 浄土真宗西派本願寺末、村の中にある。
○法泉寺 脇谷山 浄土宗鎮西派知恩院末、村の中にある。
○入津湊
村の南の浜である。湊口が2つとなる。東港口・西湊口という。両湊の口はどちらも幅わずかに1町、湾中の長さ14町、横7町ばかり。袋の中ようである。湾の中に去来潟(いさかた)ノ浜、和田ノ浦などの小名がある。
○狼煙場
村の巳午の方、焼山という所にある。
○温泉
この地に湯ノ川という小渓がある。その渓流に温泉がある。冷水である、沸かして用いる。礒湯・赤島湯・小わせの湯・針湯などの名がある。礒湯・赤島ノ湯は小瘡によいという。小わせの湯には湯室が1戸ある。
大勝浦
村の東の海端である。この辺りに金(こがね)島・帆立島・多田浦・綱切島などの名がある。帆立島・綱切島のことは浜ノ宮村の補陀洛寺の条に出ている。また海上に大平石小平石という巨岩がある。
和歌山県東牟婁郡那智勝浦町勝浦
読み方:わかやまけん ひがしむろぐん なちかつうらちょう かつうら
郵便番号:〒649-5334
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