紀伊すぽっとみ熊野ねっと

那智山 十二滝:紀伊続風土記(現代語訳)


那智山 十二滝

那智の滝

二ノ滝
一ノ滝の西北10余町にある。高さは30間ある。『山家集』にこのことを記して「二の滝のもとへ参りついた。如意輪の滝と申し上げると聞いて、拝んだところ、まことに少しうち傾いているように流れ下って、尊く思われた」云々。

那智二の滝
  二の滝
  西行法師:熊野の歌

三ノ滝
二ノ滝の西北3町ばかりにある。高さは10間ばかりある。

那智三の滝
  三の滝

弁ノ滝
那智本社の西北21町ばかりにある。滝の側に弁財天の社がある。故に名づけたといっている。

布引ノ滝
那智本社の北21町にある。

新客(しんぎゃく)ノ滝
那智本社の南3町ばかりにある。滝本初心の行者がここで執行するという。

文覚滝
一ノ滝の下流2町ばかりにある。『元亨釈書』に「文覚は那智山にあり、大誓を発し、7日間滝下に立ったとき、12月で頭髪はみな凍り、滝の水はこれに触れ、その声は琤然とし、3、4日が過ぎ、膚体通沍、気息がすでに絶えたが、身は傾かなかった。1人の童子が来て手で文覚を、頭から脚までさすった。その手ははなはだ暖かかった。文覚はすぐに蘇生し、「何人か」と問うた。童子は「不動尊が師を保護するために私を使わしたのだ」答え、言い終わると天に上った(『元亨釈書』に載せる文覚苦行のことは『平家物語』に出ている)。

  平家物語6 文覚上人の荒行:熊野の説話

 上記6ヶ所に一ノ滝を加えて七滝という。一説では文覚滝を除いて内陣滝というのを加える。山中に滝が多い。みな滝修行の修行所である。古伝に那智四十八滝という称がある。七滝はその内の名高きものをいうのだ。七滝の他になお壮観で見るべきものがある。下に並べる。

分利滝  本社の北、向山にある。

滝谷滝  同所にある。

松尾滝  同所にある。

奥滑滝  寺山という所にある。

口滑滝  同所にある。

熊野那智大社
  熊野那智大社:熊野の観光名所

和歌山県東牟婁郡那智勝浦町那智山

読み方:わかやまけん ひがしむろぐん なちかつうらちょう なちさん

郵便番号:〒649-5301

那智勝浦町の観光スポット宿泊施設

 


牟婁郡:紀伊続風土記