新庄村:現・和歌山県田辺市新庄町
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新庄村:紀伊続風土記(現代語訳)
新庄村 しんじやう 小名 跡之浦(あとのうら) 鳥ノ巣(とりのす) 内ノ浦(うちのうら)
田畑高 743石8斗4升8合8勺
家数 303軒
人数 1200人
湊村の巽(※東南※)12町ばかりにある。西の方海上20町を隔てて神子浜村と相対する。熊野大辺路の往還である。東は山を負い、西は海に面する。農作業のあいまに塩を製する。
小名が3つある。未の方(※南西微南※)礒山を隔てて7町にあるのを跡之浦という。海に面する。
跡之浦の南30町にあるのを内之浦という。海湾の南隅にあって鳥ノ巣の岬前面をふさぎ袋の底にいるかのようである。ゆえに内の浦という。南は富田荘の堺である。
内之浦の乾(※北西※)13町にあるのを鳥の巣という南より北に突き出ている岬に村居す。その西の海上に神島、神楽島、加奈伊島などが碁石が置かれているようで絶景である。小名、鳥巣の方はもとは本村であったがそれより分かれたときからの名であるという。
○小祠8社
若一王子社 社地周2町45間。村の中にある。拝殿あり。
山神森 社地周70間。内之浦にある。
田中御神森 社地周10間。村の中にある。田中にある。3樹を祀って社はない。大木は今は朽ちてしまった。
梵天社 社地周28間。小名跡の浦にある。村の中の東光寺の鎮守という。拝殿がある。
若宮 社地周120間。小名鳥ノ巣にある。末社に神島明神社、中ノ御前社がある。また拝殿がある。
四大天王社 社地周1町4間。村の乾(※北西※)2町にある。社地に22間四方の田地がある。御供及び修理料とする。
河内神森 社地周45間。村の丑の方(※北東微北※)2町余りにある。社はない。松の大樹を神体とする。拝殿はある。
山田御神森 社地周3町45間。本村の中、小名北原にあって社はない。大木を神体とする。この木に霊があって斧を触れれば祟りをなす。ゆえに神と崇める。拝殿はある。
○神島明神森 境内島9町
鳥ノ巣より海上3町ばかりを隔てて神島にある。祭神は詳らかでない。
○東光寺 三十山 禅宗関山派田辺城下海蔵寺末
本堂 観音堂 鐘楼 僧坊
村の申の方(※南西微北※)6町半にある。
○小堂3宇
地蔵堂 観音堂(2堂境内周16間。村の中の山にある)
観音堂(境内周56間。村の北5町、山にある)
和歌山県田辺市新庄町
読み方:わかやまけん たなべし しんじょうちょう
郵便番号:〒646-0011
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