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内井川村:紀伊続風土記(現代語訳)


内井川村 うちいがわ 小名 足立(あしだち)

熊野那智大社

 田畑高 73石7斗7升5合
 家数  36軒
 人数  175人

温川村 の西18町余りにある。中川の枝谷内井川というのに添って村居する。村の乾(※北西※)鍛冶屋川村と山を境にする。村の中に堰がある。内井の名はこれから起こったのであろう。足立は本村の東の小渓にある。

若宮明神社  境内周1町20間
村の東、垣原という所にあって、1村の産土神である。鍛冶屋川村の小名小皆、熊野川、並びに当村はみな若宮明神を産土神とする。その神は詳らかでない。考えるに、この荘の本社は温川村の春日明神であるという。その伝えによるとその春日明神を各村に祭って春日の若宮と称するのであろう。

若宮神社
  若宮神社

明神社  境内周36間
松葉という所にある。

向上寺  向峰山 禅宗関山派田辺城下海蔵寺末、村の西にある。

夫婦滝
村の北25町ばかりにある。男滝は高さ6間ばかり、女滝は高さ4間ばかり。この滝の上に8尺ばかりの岩穴がある。深さを知る者はない。古よりこの穴に大蛇が住むといい伝える。寛永年間、和泉国の人、矢敷孫左衛門という者が来て狩人となる。あるときこの瀧の側に来たが、婦人が忽然として現われる。孫左衛門はこれを鉄砲でこれを撃つ。その音が大きく響いて雲霧が一時に起こる。大蛇が穴の側で死んでいた。これよりその穴を蛇穴といい伝えるとか。孫左衛門の子孫は今なお村の中にいる。

夫婦滝
  夫婦滝

和歌山県田辺市中辺路町内井川

読み方:わかやまけん たなべし なかへちちょう うちいがわ

郵便番号:〒646-1439

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牟婁郡:紀伊続風土記