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洞尾村:紀伊続風土記(現代語訳)


洞尾村 うつお

 田畑高 44石8斗1升6合
 家数  18軒
 人数  57人

日南川村の西10町ばかり、古座川の右岸にある。洞尾の名前の意味を考えると、山の尾の崎が川に臨んで石巌がうつろになっていることから「うつろ」というのだ。

宝大神森  村中にある。社はない。空神を祀るという。

坊公院  禅宗曹洞派古座浦清源寺末
村中にある。天明8年の大水で本堂が流失した。今やっと仮の建物である。

 
村の南、川向にある。頂まで登り8町、道は険峻で岩角にすがって、木の根・草の茎をつかんで登らなければならない。下の底無しの渓に覗き見るとその危うさは言葉にできない。

やっと頂きに着くと、石岩が壁のように立つさまは削ったかのようで、目眩して下を見ることができない。その遠望の方位を書く。頂上に近年金比羅権現の小祠を安置した。よって村民の間で参詣する者があるという。

 法師峯    亥(※北北西※)の6分
 大塔峯    正北
 大島出雲の鼻 辰(※南東微北※)の7分
 重山     辰(※南東微北※)の4分
 那智山    辰(※南東微北※)の8分
 那智山舟見  艮(※東北※)
 古座川口   卯(※東※)の7分

和歌山県東牟婁郡古座川町洞尾

読み方:わかやまけん ひがしむろぐん こざがわちょう うつお

郵便番号:〒649-4453

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牟婁郡:紀伊続風土記