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宮井村:紀伊続風土記(現代語訳)


宮井村 みやい  小名 音河(おとが)

平忠度生誕の地

小船村の西8町ばかりにある。村の名前の意味は相須村の条に出す。小名音河は村の南、川の向かい10町にある。

薩摩守忠度誕生所
小名音河にて生まれ、この地にて成長したといい伝える。音河に昔、橋爪という旧家があった。その家で誕生したという(本宮社家竹ノ坊に伝わる古い連判の人名に河合兵衛入道宗円という人がいた。土地の人はこれが橋爪氏のことであろうという。ある説では新宮の辺に忠度の旧跡があるという)。

忠度朝臣、父は忠盛卿、母は詳らかでない。この地に縁があることは『平家物語』薩摩守最期の条に「熊野育ち、大力の早業にていらっしゃったので」云々と見える。『東鏡』に別当湛快の娘を娶ったことが見えている(その文は詳らかに新宮部の別当の条に見えている)。

これらによると、父忠盛卿が熊野別当の娘などに通って忠度を産み、母家にて養育させて、成長の後、忠度は湛快の娘を妻としてこの地にあったが、兄清盛が朝政を執り、一門が盛んになる時になって都に移り住んだのであろう。年齢は別に考えられることがない。

平忠度生誕の地
  熊野の説話:平家物語 平忠度の最期
  熊野説話:平忠度の母と妻
  熊野の歌:平忠度

福泉寺  瀧向山 禅宗曹洞派新宮城下宗応寺末、村中にある。

和歌山県新宮市熊野川町宮井

読み方:わかやまけん しんぐうし くまのがわちょう みやい

郵便番号:〒647-1235

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牟婁郡:紀伊続風土記