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湯口村:紀伊続風土記(現代語訳)


湯口村 ゆのくち 小名 河根(こうね)

花井荘九重村から丑の方(※北東微北※)11町ばかり。和州十津川郷の竹戸村に至り、竹戸村から巽(※東南※)に8町ばかり、北山川を隔てて川の東にある。村居は川の岸に添って、多くは山麓にある。

村中から亥の方(※北北西※)5町ばかり、川向にあるのを小名河根という。家数はわずかに4軒。

村名は湯の谷口の意味である。詳らかに下の温泉の条に見えている。村領の大川の岸に衣比須倉・大黒倉・仏ヶ倉などの奇岩がある。

小祠1社

吉祥院  湯谷山 禅宗曹洞派小栗須村慈雲寺末、村中にある。

湯の谷温泉
村の南7町にある。源は大河内村との堺の山から流れ出て村領にて大川に落ち合う小川がある。この谷をいい、その落合にある村を湯の口という。しかしながら温泉の涌くことが少なく、またぬるいので用いるに足らない。

室谷(しつだに)銅山
村の南、湯の谷から6町ばかり下流にある。源は大河内村との堺から流れ出てこの谷を花井荘花井村との堺とする。谷の中に銅山がある。延宝年中に初めて見つけ掘ったが、その後中絶していたのを文政8〜9年の頃に古い銅穴を再興した。以降今に至って絶えず掘り出す。銅の質は花井荘楊枝村よりは勝っているという。

三重県熊野市紀和町湯ノ口

読み方:みえけん くまのし きわちょう ゆのくち

郵便番号:〒519-5416

紀和町の観光スポット宿泊施設

牟婁郡:紀伊続風土記