十九淵村:現・和歌山県西牟婁郡白浜町十九渕
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十九淵村:紀伊続風土記(現代語訳)
十九淵村 つづらふち 小名 伊勢谷(いせだに)
田畑高 296石4斗4升8合
家数 104軒
人数 502人
吉田村の東、富田川を隔てて15町にある。村の東は山が深くて安宅荘の久木村と山峰を境とする。北の方、保呂村・社川村領より富田川に添って(※中略※)本村に至るのを大辺路街道とする。川は屈曲して羊腸のようだ。よって十九淵の名が起こる。文字は古くは葛淵(つづらふち)と書くのが正しいという。いま十九と書くのは「つづ」の借字で「ら」は添えて呼ぶのだ。小名伊勢谷は本村の巽(※東南※)10町ばかりにある。
○若一王子権現社 境内山周16町
摂社 住吉社
末社3社 若宮・稲荷社・弁財天社
拝殿
小名伊勢谷にある。荘中朝来帰・堅田の2村を除いた12村の産土神である。社殿は壮麗で、境内も広い。相伝して熊野本宮第四の宮天照大御神を勧請したという。ゆえにこの地を伊勢谷という。この地は古は熊野神領であったのだろう。古は祭日に田楽舞流鏑馬などもあったが、今は絶えてしまったという。文亀元年、元亀3年、文禄5年などの棟札がある。神主を吉田大和といって吉田範秀の後裔だという。社僧1人、禰宜2人がいる。
別当 海門寺 倉谷山
太子堂 鐘楼 僧坊
社の境内にある。真言宗古義京仁和寺末である。末寺3ヶ寺が村中にある。
○小祠3社
河内明神社 社地山周4町。面の内谷という所にある。拝殿がある。
田口明神社 社地山周60間。小名田口という所にある。拝殿がある。
祇園愛宕社 社地山周28間。小名津の越坂という所にある。
○円徳寺 慶徳山 真言宗古義村の中の海門寺末。小名小倉山という所にある。
○常照院 円通山 真言宗古義村の中の海門寺末。小名面の内という所にある。
○加勝寺 光源山 真言宗古義村の中の海門寺末。小名面の内という所にある。
○孝子
村民の源吉という者が養父母実母に孝があり、かつ農業に励む。宝暦11年、領主より米10俵を与え、後3俵を与えて報償する。○また村民の義平という者の妻きんという者は姑に孝があり、文化4年、領主よりこれを賞して米5俵を与える。
(※後略※)
和歌山県西牟婁郡白浜町十九渕
読み方:わかやまけん にしむろぐん しらはまちょう つづらふち
郵便番号:〒649-2324
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