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和田村:紀伊続風土記(現代語訳)


和田村 わだ 小名 西俣(にしのまた) 宇井河(ういがわ)

 田畑高 98石9斗9升1合
 家数  45軒
 人数  182人

下川下村の北1里余りにある。安川の支流の和田川に添って1村谷を異にする。和田川の源は大塔森の連峰から出て下川上村で安川に落ち合う。村名は川の流れが湾曲していることから起った。小名西俣は本村から申の方(※西南西※)下川下村領を隔てて2里ばかり、広見川の枝谷にある。宇井川は村の艮(※東北※)1里半ばかりにある。

春日社  社地山周200間、村の中にある。神体は木像である。

梵光寺  田林山 禅宗曹洞派田辺城下法輪寺末、村の中にある。

観音庵  禅宗曹洞派田辺城下海蔵寺末、西俣にある。

宮滝
西俣にある。高さ20間ばかり。

旧家     打越忠蔵
村の中の者は当家を荘司と呼ぶ。その系は詳らかでない。天杯といい伝える大杯(滅金に銀の半月の模様がある)を伝えている。村の中に栗栖垣内という字もある。当家の屋敷跡と相伝えていう。またその家来筋の家が2軒ある。また興国4年久留栖二郎左衛門尉に賜わった綸旨を所有している。これは近年大内川の愛洲氏より譲り受けたものという。

和歌山県田辺市和田

読み方:わかやまけん たなべし わだ

郵便番号:〒646-1211

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牟婁郡:紀伊続風土記