粉所村:現・三重県熊野市育生町粉所
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粉所村:紀伊続風土記(現代語訳)
粉所村 こどころ
尾川村の寅の方(※北東微南※)10里余りにあって、山の半腹に村居する。村の後に高嶽があって北を塞ぎ、南面して日当りよく、穀物の実入りも他村にまさっている。
粉所は神所(こうどころ)の転訛で神戸の意味である。北山郷に神上村(こうのうえ)・神山村(こうのやまむら)等があって新宮飛鳥社の神領であったという。この村が神上村と隣接しているときは飛鳥社の神領であったのであろう。
○宝禅寺 南面山 禅宗曹洞派尾呂志荘 上野村長徳寺末、村の中にある。
○足谷滝
村の巳午の方の表倉という所から北面して直流する。高さ60尋、幅1間である。土地の人は、この滝は冬になると両側から凍り始め、徐々に凍って、水晶のようにその中間わずかに一筋垂れ、後には落ち口まで残らず凍りつめて大きな氷柱となる。奇観というべし。春になって陽気を得て、その大氷柱が高岩から崩れて一時に落ちる音は大砲を放つがごとく村中に響くという。
その他にも当村領には滝が多い。落倉という所の洞の真中にも滝がかかる。これもまた奇絶である。すべて滝は北面にかかるので冬になるとみな氷柱となるゆえ、この辺の人は南面の滝でなければ賞しないとか。
三重県熊野市育生町粉所
読み方:みえけん くまのし いくせいちょう こどころ
郵便番号:〒519-4445