岡村:現・和歌山県西牟婁郡上富田町岡
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岡村:紀伊続風土記(現代語訳)
岡村 おか 小名 岡川(おかがわ)
田畑高 987石4斗5升5合3勺
家数 148軒
人数 625人
岩田村の北、岩田川の北の枝谷にあって、岩田村小名尾崎と同じ谷にある。乾の方(※北西※)は、田辺荘の新庄村、三栖荘の中三栖村・下三栖村、栗栖川荘の西谷村などと堺する。三栖よりの往還にて岡越という熊野古道である。この地は渓間にて土地が高い。よって岡の名がある。小名岡川は村の艮(※東北※)、40町ばかり溪を入った所にある。三栖荘の馬我野村と山を境にする。
○八上王子社 境内森山周4町余
末社 稲荷社 拝殿 経堂
三栖荘の下三栖村より越える路傍にある。1村の産土神である。『御幸記』に「ヤガミ王子」とあるのがこれである。八上は谷上(やかみ)の意味であろう。僧西行が当社の桜を見て詠んだ歌を『山家集』に載せる(その歌、三栖荘の三栖山の条に載せた)。境内に松の大樹がある。
熊野九十九王子:八上王子
熊野の歌:西行
熊野旅行記:藤原定家『後鳥羽院熊野御幸記』現代語訳3
○田中明神社 境内森周250間
宮代という所にある。祀神は弁財天という。1村の産土神とする。拝殿がある。
○小祠2社
八幡宮 社地周278間、小名岡川にある。岡川の産土神である。
弁財天社 社地周7間、平野という所にある。
○普大寺 龍雲山 禅宗関山派京妙心寺末
村の中にある。境内に古い石塔がある。応永3年11月15日橘忠実が母のために供養と書してある。本堂(5間、4間半)、僧坊(5間半、6間)、薬師堂がある。
○観音堂 小名寺尾という所にある。
○国陳山砦跡 村の南岩田村の堺にある。東西28間、南北34間。
○尻付山砦跡
村の乾(※北西※)、中三栖村との堺にある。東西6間半、南北8間。共に山本主膳正の出城という。
○旧家 井□清介
和田新兵衛行忠の子を楠本六郎忠実という。山本氏の婿となり、三栖村と当村を領し、龍口城(下三栖村)に居城する。その6世の孫を忠延という。永禄年中に三好氏のために城を落とされる。山本主膳に頼って当村に住む。井□清介はその婿である。清介は古くは信州諏訪の人である。また山本氏の客であった。山本氏が亡ぶと、妻の家に行って山本の家を併して当村に住んだ。子孫は荘屋役を勤める。清介の子孫の長男は井□の家を続け、代々当村に住む。次男は田辺城下に移り、楠本の家を立て商売人となるという。
和歌山県西牟婁郡上富田町岡
読み方:わかやまけん にしむろぐん かみとんだちょう おか
郵便番号:〒649-2101
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