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大川村:紀伊続風土記(現代語訳)


大川村 おおかわ

 田畑高 121石8斗2升7合
 家数  56軒
 人数  245人

蔵土村の乾(※北西※)30町ばかりにある。当村領で三尾川と佐本川の流れが古座川に落ち合って川幅が広くなっていることから大川の名がある。

小祠3社
 矢倉明神社  社地森山周68間。村中にある。
 宝山明神社  村中にある。
 三所権現社  社地森山周126間。村端にある。熊野三所を祭るという。

宝珠庵  福住山 禅宗臨済派潮埼荘江田浦海蔵寺末
村中にある。山林が3ヶ所ある。

瀧雲庵  禅宗臨済派高川原村祥源寺末

地士       南紋右衛門

 

真砂 まなご

本村の北1里にある。大川はこれより上流は川中に岩が多く川幅もやや狭くて舟の通路が通い難い。古座川海口からここまで川の長さは6里ばかり。七川谷郷の諸村が材木の類をみな当所まで担い出して舟に積むので、この地は人家が多く町をなして近辺の諸村と異なる。

考えると栗栖川の上流でも舟の通路の限界の地を真砂という。真砂は小石の名で、この地も川中に小岩が多いのでそういうのであろう。およそ舟の往来の滞る所は岩が多くて滝をなす。栗栖川の滝尻、安宅川の市鹿野の滝、当所のゑひの滝、みな同じである。

宝山明神社  境内森山 高さ15間、周60間  社 2間半、1間半
寛永16年に勧請したという。祭神は詳らかでない。本地仏は十一面観音とか。

大師堂
寛永8年2月に勧請した。寺号は佐本荘里川村の廃寺の名を譲り受けたという。

和歌山県東牟婁郡古座川町大川

読み方:わかやまけん ひがしむろぐん こざがわちょう おおかわ

郵便番号:〒649-4451

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牟婁郡:紀伊続風土記